刺さる企画はどう作る?吉田将英『コンセプト・センス』に学ぶ、答えのない時代の戦い方

「何かしっくりこない」

「このままでは上手くいかない気がする」

言葉にならない違和感を抱えながらも、どうすればもっと良くできるのか、肝心な解決策が見えないことはありませんか?

多くの人が、その答えが見えない悶々とした感覚が「最強の武器」であることを知らず、見過ごしてしまっています。

今回ご紹介するのは、電通のコンセプターである吉田将英氏の著書『コンセプト・センス 正解のない時代の答えのつくりかた』です。

本書は、斬新な企画を生み出すための思考法を解説した一冊です。

しかし、その本質は単なるビジネススキルに留まることなく、私たちが生きるこの「正解のない時代」で、自分だけの答えを見つけ、人生そのものを前に進めるための強力な思考メソッドを提示してくれます。

この記事では、本書の中から特に「曖昧な違和感を、人を動かす力に変える」ための核心的な思考プロセスを紹介し、あなたの実生活やビジネスに活かせる形で解説していきます。

この記事を最後まで読めば、あなたの内なる違和感が、未来を切り開くための「頼れる道具」に変わるはずです。

それではさっそく行きましょう。

「違和感」こそ価値創造の入り口である

私たちはなぜ、「ここではないどこかへ行きたい」と感じてしまうのでしょうか。

その原因は、決してあなた個人の問題ではなく、私たちが生きる「時代」そのものにある、と著者は指摘します。

情報、テクノロジー、複雑な問題。 あらゆるものが過剰になった現代を、著者は5つの「すぎる」で表現します。

  1. 情報が多すぎる
  2. テクノロジーが速すぎる
  3. 向かい風が強すぎる
  4. 問いが複雑すぎる
  5. 「らしさ」が揺らぎすぎる

こうしたさまざまな物事が「過剰」と言える状況の中では、ひたすら目の前の問題に対処することに追われ、すぐに疲弊してしまいます。

ましてや、中長期的な思考や、その問題が生まれている「根源的な解決策」には至りません。

では、どうすればこの状況を突破できるのか。

その鍵は、現実そのものではなく、私たちの「ものの見方」を変えることにあります。

「どうしたらもっと良くなるか?」ではなく、「そもそも、良いとは何なのか?」から再定義する。前者が「ソリューションメイク」だとすると、後者は「センスメイク」。つまり認知の再定義からスタートするアプローチです。

『コンセプト・センス』 (吉田将英 著)

人間の社会は以下のサイクルで動いています。

  • 価値観や信念を通じて「現実」を知覚(インプット)する

  • 知覚した現実の「評価」を行う

  • その評価をもとに「決定(行動)」を下し、新たな「現実」を生み出す

つまり「売上が足りない(現実)から、もっと売上を上げる方法(決定)を考えよう」というように、ほとんどの人はサイクルの起点を「現実」に置いています。

しかし、このアプローチでは、既存の「売上が大事」という既存の「価値観」や「信念」の枠からはみ出すことはできません。

そこでコンセプト思考は、サイクルの起点を「価値観の創造」に設定し直します。

例えば、かつて自動車がなかった時代、人々は「移動」するための手段として「馬」を用いていました。

つまり「移動手段=馬」という図式が頭の中で固定化されていたのです。

仮に方向性で移動手段の改善を考えても、「もっと速く走る馬」という発想しか生まれません 。

しかし、移動に対する価値観や信念そのものをリセットしたことで、人々の行動(決定)が変わり、「自動車という新しいコンセプト」の発送が可能になり、社会は大きく変わりました。

ここで重要なことは、先に車が生まれたから私たちの価値観や社会が変わったのではなく、順番が逆であるということです。

先に「本当に移動手段=馬なのか?」「もっと早く移動できることが本質なら、馬以外の別の手段でもいいのではないか?」などの既存の価値観や信念を疑った人が存在した結果として、車が誕生し、社会が変わったのです。

この例が示すように、私たちが抱える「本当にこれが正しいのか?」「何か違うのではないか?」という違和感。

それは大いなるブレイクスルーに繋がるきっかけとなる可能性があるのです。


コンセプトは「縛り」ではない 「軸」があるから、自由に”遊べる

コンセプトとはコンパスのようなものだと著者はいいます。

良質なコンセプトがもたらす効果は、大きく5つに分類できます。

進むべき方向が明確になり、意思決定のブレがなくなる。
アイデアを出すべき「的」が絞られ、創造性が刺激される。
独自の価値観が生まれ、他との違いが明確になる。
共感する人、モノ、お金、情報が自然と惹きつけられる。
属人性を超え、時代の変化に耐えうる持続的な価値となる。

これらは、コンセプトが「指針」として機能することで得られる効果です。 しかし、コンセプトの神髄は、その先にあります。

それは、これら5つの効果の根底にある、6つ目の効果「遊べる」という感覚です。

コンパスがもたらす効果は、「迷わなくなること」以上に、最悪どうにかかるという安心感がもたらされることによる「迷うことを楽しめるようになること」だと、僕は思います。
『コンセプト・センス』 (吉田将英 著)

詳細な地図を手にすると、私たちは道中の景色を見ることなく、最短距離で目的地に着くことだけを考えがちです。

一方で、方角だけを示すコンパスを手にすれば、私たちは自分の目で周囲を観察し、寄り道を楽しみ、予期せぬ発見をする余地が生まれます。

「最悪、ここに戻ればいい」という絶対的な軸があるからこそ、私たちは安心して道から外れ、試行錯誤という名の「遊び」に没頭できるのです。

本書では、コンセプトを見失った例として「ナポリタンを始めてしまった蕎麦屋」のエピソードが紹介されています。

この蕎麦屋は、おそらく売上を上げるためにナポリタンを導入したのでしょう。 しかし、その結果、「蕎麦屋」としての軸がブレてしまい、店の独自性が失われ、常連客すらも離れていきました。

もしこの蕎麦屋に「出汁にこだわった街のランチスポット」というコンセプトがあれば、どうだったでしょうか。

その軸があれば、「出汁を活かした和風パスタ」という、蕎麦屋の強みを生かした新しい挑戦(遊び)が閃いたかもしれません。

そうすれば、蕎麦好きだけでなく、パスタ好きという新しい顧客層も集まり、店はさらに発展(続く)した可能性があったのです。

つまり、コンセプトは行動を制限する「縛り」ではなく、むしろ新しい可能性を発見するための「土台」なのです。

あなたがこれから生み出す企画や文章も同じです。 確固たるコンセプト(軸)を定めることで初めて、あなたは表現という広大な海で、自由に、そして大胆に「遊ぶ」ことができるようになります。

人を動かす構造「BIV-Cモデル」

優れたコンセプトは、一体どのようにして生まれるのでしょうか。

 本書が提示する最大の発見は、優れたコンセプトには共通の「構造(メカニズム)」、すなわち再現可能な「設計図」が存在するということです。

著者はその設計図を「コンセプト構文」と名付け、4つの要素で定義します。

コンセプト(C)は『既存の当たり前が見落としてきた(B)、人々にとってまだ自覚できていない満たされていない欲求を満たし(I)、結果として理想の社会に今より近づくための(V)、提案の方向性(C)』である。

『コンセプト・センス』 (吉田将英 著)

少し複雑に聞こえるかもしれませんが、分解すると非常に明快です。 コンセプト(C)とは、以下の3つの元素から生まれる「提案」なのです。

  • I = インサイト (Insight) 人々が心の奥底で感じているが、まだ自分でもはっきりとは言葉にできていない「満たされない欲求」のこと。「本当はもっと、こうしたいのに」という本音です。
  • B = バイアス (Bias) インサイトの実現を阻んでいる「社会や業界の常識」「思い込み」のこと。「普通はこうあるべきだ」という見えない圧力です。
  • V = ビジョン (Vision) その企画を通して、作り手が実現したいと願う「理想の社会の姿」のこと。「この社会は、もっとこうあってほしい」という意志です。

コンセプト思考の核心は、この3つの関係性にあります。

まず、人々のインサイト(I)と社会のバイアス(B)の間には、「本当はこうしたいのに、常識がそれを許さない」という葛藤(ジレンマ)が必ず存在します。

優れたコンセプトとは、このジレンマを、作り手のビジョン(V)を原動力にして解消する「新しい提案の角度(C)」のことなのです。

例えば、AKB48の「会いに行けるアイドル」というコンセプトを、この構文に当てはめてみましょう。

  • インサイト(I): ファンの本音 「本当は、もっと近い距離感でアイドルを応援したいのに」
  • バイアス(B): 業界の常識 「アイドルは遠いからこそ憧れる存在だという考えが、それを見落としている」
  • ビジョン(V): 理想の社会 「その先に、偶像ではなく実社会と関わるアイドルをデザインし、誰もが自分の人生に前向きになれる社会の実現を目指す」
  • コンセプト(C): 新しい提案 「だから私たちは『会いに行けるアイドル』というコンセプトで、アイドルとのかつてない距離感を提供する」

このように、BIV-Cモデルという設計図を使うことで、なぜ「会いに行けるアイドル」というコンセプトが多くの人の心を掴んだのかを、構造的に理解することができます。

これは、人を動かす文章や企画を生み出すための、極めて強力なフレームワークです。

あなたが伝えたい相手の「インサイト(本音)」は何か。 それを阻む「バイアス(常識)」は何か。 そして、あなたが届けたい「ビジョン(理想)」は何か。

この設計図に沿って思考を巡らせることで、あなたの言葉は単なる思いつきではなく、人の心を動かす必然性を持った「コンセプト」へと昇華していくのです。

コンセプトは「見立てる」もの ― 凡庸な発想から抜け出す3つの視点

BIV-Cモデルを学んだところで、あなたは次の疑問が湧いてくるのではないででしょうか。

「そもそも「バイアス」や「インサイト」といった、目に見えないものを一体どうやって見つければいいのか?」

この問いに対し、著者は「コンセプトは作るのではなく、見立てるものだ」という考え方を提示します。

かの有名な彫刻家ミケランジェロは、こんな言葉を残しています。「どんな石の塊も内部に彫像を秘めている。それを発見するのが彫刻家の仕事だ」(中略)コンセプトも同じように「作り出す」という感覚よりも、「そこにあるはずのものをいかに新しく、わかりやすく、見立てるか」というイメージのほうがうまくいく。

『コンセプト・センス』 (吉田将英 著)

コンセプトの材料は、既に世の中に存在しています。 私たちの仕事は、それに気づき、新しい光を当て、誰もが見過ごしていた価値を掘り出すことなのです。

 
松方澪
「いや、それをどうやるんだ?」と思ったあなた。もう少しお付き合いください。

そのために、本書は凝り固まった思考を強制的に広げる、具体的な技術と思考法をいくつも紹介しています。 ここでは、特に重要な3つの視点を解説します。

1. バイアス(常識)は「内と外の境界線」で見抜く

強固なバイアスほど、その内側にいる当事者は無自覚です。 「当たり前」すぎて、疑うことすら思い浮かばないからです。

バイアスを見抜くコツは、意図的に「外側」の視点を持つこと。 そのために有効なのが、思考の「視野ストレッチ」です。

例えば「新しいカフェ」のコンセプトを考える時、多くの人は「コーヒー」という商品を中心に考えます。 しかし、それでは既存の枠組みから抜け出せません。

そこで、思考の軸を強制的に広げてみます。

  • より大きな軸で考える:「カフェ業界」だけでなく、「店舗ビジネス業界」全体の常識は何か?
  • 周辺要素の軸で考える:「コーヒー」だけでなく、「店員の接客態度」や「BGM」の常識は何か?

このように視点を切り替えることで、「店員は丁寧語であるべき」というバイアスに気づき、「友達がやってるカフェ」のような斬新なコンセプトを見立てる突破口が開けるのです。

2. インサイト(本音)は「多角的な解釈」で見つける

インサイトは、相手に直接「何が欲しいですか?」と聞いても決して見つかりません。 本人すら自覚していない、無意識の欲求だからです。

インサイトを見つける鍵は、相手を多面的に捉え、その人生に想像力を働かせること。 ここでも「視野ストレッチ」が役立ちます。

ターゲットを単なる「コーヒー好き」と見るのではなく、

  • 行為の軸で考える:その人はコーヒーを「飲む」だけでなく、「買う」「持ち運ぶ」「捨てる」ときに何を感じているか?
  • 価値観の軸で考える:その人にとって「贅沢」や「息抜き」とは、そもそも何を意味するのか?
  • ライフスタイルの軸で考える:その人の「働き方」や「お金の使い方」は、カフェの利用にどう影響しているか?

一つの側面からでは見えなかった、隠れた欲求や不満が、こうした多角的な解釈を通して浮かび上がってきます。

 

 
松方澪
顧客に「欲しいもの」を聞くのではなく、その手前にある「悩み・不満・不便・願望」を捉える視点が重要ですね。

3. ビジョン(理想)は「for other by me」に昇華させる

ビジョンは、コンセプトのエンジンとなる重要な要素です。 しかし、そのビジョンが独りよがりな「エゴ」や、単なる流行を追いかけた「トレンド」であっては、人の心は動きません。

優れたビジョンは、必ず「for other by me(他者のための、自分によるビジョン)」という領域に存在します。

「私が有名になりたい(for me by me)」というエゴは、「私が有名になることで、社会にどんな良いことがあるのか?」と主語を転換することで、多くの人が共感できるビジョンに昇華します。

 
松方澪
「成功したい」という動機はもちろんあってもいい。しかしそこで止まることなく「顧客や社会にどんな価値をもたらした結果、成功するのか」を逆算する思考が大事ということですね。

この「見立てる」技術は、センスや才能に依存するものではありません。 思考の型を知り、粘り強く問いを立て続けることで、誰にでも鍛えることができるのです。

企画の隅々にまで魂を宿らせる方法

練り上げられたコンセプトは、それ単体ではまだ価値を発揮しません。 コンセプトは、企画を構成する全ての要素に一貫して「通底」させることで初めて、全体を動かすシステムとして機能し始めるのです。

商品、ネーミング、デザイン、価格設定、組織体制、人事評価。 これら全ての変数が、中心にあるコンセプトと同じ方向を向いたとき、企画は他者が容易に真似できない、魂の宿った「何か」に変わります。

丁寧に地道に1つずつの変数をコンセプトに照らしながら再構築することで、ほかの存在が簡単に真似することのできない、オリジナルの佇まいがそこに立ち起こり、それが相手や社会のその企画に対しての「何か好き!」を生むのです。

『コンセプト・センス』 (吉田将英 著)

この「通底」は、3つのステップで連鎖的に起こります。

  1. 「呼び名」が変わる → 認知が変わる
  2. 「意識」が変わる → 尺度が変わる
  3. 「中身」が変わる → 決定が変わる

この連鎖を巧みに実践しているのが、ディズニーランドです。

彼らは園内の従業員を「従業員」ではなく「キャスト」と呼びます(①呼び名の変更)。

すると、「私たちは夢と魔法の国の舞台に立つ演者なのだ」という意識が芽生えます(②意識の変更)。

その結果、清掃係がただ掃除をするだけでなく、ゲストを楽しませるパフォーマンス(ファンカストーディアル)を行うといった、コンセプトを体現する行動が生まれるのです(③中身の変更)。

このように、コンセプトを言語化することで、組織の隅々にまで一貫した価値基準が行き渡り、日々の無数の意思決定が自然とブランドを強くしていくのです。

コンセプトは「やらないこと」も明確にする

コンセプトは「何をやるか」だけでなく、「何をやらないか」を決める「引き算」においても強力な拠り所となります。

星野リゾートの「星のや」が、「現代を休む」というコンセプトに基づき、日常の象徴であるテレビを客室から排除したのが良い例です。

これは、コンセプトがあるからこそ可能な、勇気ある「引き算」です。 この引き算によって、ブランドの独自性はさらに際立ちます。

もちろん、最初から完璧なコンセプトを描けるとは限りません。 著者は「アクション(A)から始めてコンセプト(C)に至る道」もあると語ります。

まず行動してみる。 たくさんのアイデアを出してみる。 その中から共通する本質を見出し、後からコンセプトとして言語化していく。

大切なのは、コンセプトを額縁に飾ることではなく、実践の中で試し、磨き上げ、組織や企画の血肉としていくことなのです。

【まとめ】あなたの「違和感」を最強の武器へと変える

今回は、吉田将英氏の『コンセプト・センス』から、曖昧な違和感を「人を動かす力」に変えるための思考法を解説しました。

  • 第1章: あなたが抱える違和感は、新しい価値創造の「入り口」である。
  • 第2章: コンセプトは「軸」となり、だからこそ安心して「遊べる」自由が生まれる。
  • 第3章: 優れたコンセプトには「BIV-Cモデル」という再現可能な「設計図」がある。
  • 第4章: コンセプトは「作る」のではなく、多角的な視点で世の中から「見立てる」ものだ。
  • 第5章: コンセプトは企画全体を動かす「OS」であり、隅々にまで「通底」させることで真価を発揮する。

本書は、変化が激しく、決まった答えが存在しない現代において、私たち一人ひとりが未来を切り開いていくための「センス」を磨くための指南書です。

もしあなたが今、言葉にならない違和感や、現状を打破したいという強い想いを抱えているのなら、それは「ダイヤの原石」かもしれません。

ぜひ本書を手に取って、あなたの武器へと昇華させてみてください。

今日からすぐにできる最初の一歩目としては、日常の中で「なぜだろう?」と問いを立てることから始めてみることです。

そして「BIV-Cモデル」を意識しながら、当たり前とされている常識(バイアス)の裏に隠された、誰かの満たされない想い(インサイト)に気づくこと。

その小さな一歩が、やがてあなたの言葉を、そして世界を、少しだけ新しい場所へと動かす力になるはずです。

『コンセプト・センス』に関するQ&A

コンセプトとキャッチコピーは何が違うのですか?

本書では、コンセプトとコピーの関係を「中身」と「パッケージ」に例えて説明しています 。コンセプトは企画の骨子となる「何を言うべきか(What to say)」であり、基本的には世の中には出ない内部の指針です。一方、コピーはコンセプトを基に、人の心を動かすために表現を磨き上げた「どう言うべきか(How to say)」であり、世の中に出ることを前提としています 。良いコンセプトがなければ、良いコピーは生まれません。

クリエイティブな才能やセンスがないと、良いコンセプトは作れないのでしょうか?

いいえ、作れます。本書が一貫して主張しているのは、コンセプト作りが属人的な「才能」ではなく、学習可能な「技術(センス)」であるという点です。そのための具体的な思考法として「BIV-Cモデル」や「視野ストレッチ」といったフレームワークが紹介されています 。大切なのは、生まれ持った才能ではなく、物事の本質を粘り強く探求する姿勢です。

アイデアがたくさんありすぎて、コンセプトが一つに絞れません。どうすればいいですか?

まずはたくさんのアイデア(アクション)から始めるアプローチも有効です 。本書では「複数のアイデアを「要するに」でまとめたものがコンセプトです」と解説されています 。多くのアイデアに共通する本質や、それらを貫く「新しい価値の尺度」は何かを探してみてください。その本質こそが、あなたの企画のコンセプトの核となるはずです。

自分の「ビジョン(V)」が見つかりません。どうすれば良いでしょうか?

無理に壮大なビジョンを掲げる必要はありません。本書では、ビジョンを見つけるヒントとして「自分の実体験に置き換える」ことや、「放っておけない人は誰か?」と具体的に考えることを勧めています 。あなた自身の原体験や、身近な誰かの悩みにこそ、人を動かす誠実なビジョンの種は眠っています。

一度決めたコンセプトは、途中で変えてはいけないのでしょうか?

コンセプトは「永遠のβ版」であり、状況に応じて見直すべきだと著者は述べています 。特に、コンセプトが生まれた背景であるバイアス(B)やインサイト(I)が、社会の変化によって大きく変わった場合は、見直しのタイミングです 。コンセプトは企画を縛るためのものではなく、より良い未来へ向かうためのコンパスです。必要であれば、躊躇なく調整しましょう。

BIV-Cモデルは少し難しそうです。もっと簡単に始める方法はありますか?

まずはBIV(バイアス、インサイト、ビジョン)のうち、自分が最も考えやすい「利き手」から始めることが推奨されています 。例えば、人間観察が好きならインサイト(I)から、社会への義憤や理想があるならビジョン(V)から、物事を客観的に疑うのが得意ならバイアス(B)から思考をスタートさせてみてください 。

 
この本で学んだことを、日々の文章作成(ブログ記事など)にどう活かせますか?

あなたが書く記事にも、コンセプトを適用できます。その記事を通して「読者のどんな思い込み(バイアス)を覆し、どんな隠れた欲求(インサイト)に応えたいのか?」を自問してみてください。そうすることで、ありふれた情報ではなく、読者の心を動かす「新しい提案」としての文章につながるはずです。

本記事はAIを用いて構成・下書きを行い、著者が内容・文体を編集して公開しています

この記事を書いた人
松方 澪 / Mio Matsukata
  • コピーライター / マーケター(歴10年/2014.10~)
  • 社員ゼロの法人代表
  • 宣伝会議コピーライター養成講座(基礎/上級) 修了